執筆:ジンさえあれば。運営

「季の美 京都ドライジン」(きのび)|いつもの一杯から、柚子やお茶のあるジンへ

黒いカウンターとブロンズのトレーに置いたジンのイメージ

いつものジントニックは好き。でも、次は少し違う香りを楽しんでみたい。そんなときの一本として、「季の美 京都ドライジン」をすすめます。柚子やお茶、生姜といった、食卓でもなじみのある素材が手がかりになるジンです。最初は「ジン&ソニック」から。ジンを、トニックウォーターと無糖炭酸水の両方で割る飲み方です。シェーカーはいりません。

おすすめ・基本情報

ただ、お茶の個性を目当てに選ぶなら「季のTEA」、カクテルに使う力強さを重視するなら「季の美 勢」が先に候補になります。「季の美」は、そのどちらかに絞る前に、この造り手の基本の一本を知りたい人に向いた選択です。[1,3,4]

基本の一本
季の美 京都ドライジン
国内販売元の容量・度数
700ml・45度 [7]
度数表記について
ブランドサイトは45.7%と表記。資料差は同じ造り手の比較で説明しています。

買う前は、名前と箱を確認

このページで入口としてすすめているのは「季の美 京都ドライジン」の基本品です。「季のTEA」「季の美 勢」「季能美」と書かれた別商品や、グラス付きセットとは分けて選びましょう。

国内の販売ページには箱なしの700ml単品もあります。自宅用なら問題なくても、贈り物では箱の有無や包装を先に確認すると安心です。[9] 価格欄だけを比べると、箱付き、送料込み、セット商品が混ざることがあります。

在庫や価格は変わるため、購入時に販売店で確認してください。

味わい・特徴

「和のジン」は、どんな香りの手がかりになる?

「季の美」の香りを知る入口は、難しい植物の名前を覚えることより、柚子の皮、お茶、生姜という身近なものを思い浮かべることです。メーカーの香味説明では、柚子と山椒に始まり、ジンの軸になるジュニパー(セイヨウネズの実)、余韻の生姜や玉露へと話が進みます。[1]

ここで気をつけたいのは、「柚子を使う」ことと「柚子ジュースのように酸っぱい」ことは別だという点。お茶のジンも、淹れたお茶と同じ飲み物ではありません。香りの印象、舌で感じる甘さや苦さ、アルコールの刺激を分けて考えると、期待とのずれを減らせます。

たとえば普段のジントニックが甘すぎるなら、先にトニックの配分を見直してみてください。「ドライジン」と書かれた別のボトルに買い替えても、割り材を変えなければ同じ不満が残るかもしれません。

向いている人・苦手から確認

苦手な味・香りがあるなら、ここを確認

「和の素材が好き」だけでなく、避けたい香りがないかも見ておきましょう。「季の美」のメーカー説明には、柚子や山椒、ジュニパー、生姜、玉露が香味の手がかりとして登場します。[1]

  • 柚子、山椒、生姜、お茶の香りに強い苦手意識があるなら。その点を確認せずに一本を買うより、メーカーの説明を読み、お店で少量を頼める場合は苦手を伝えて相談するのが一案です。ただし、原料そのものと蒸溜後のジンは別のもの。生姜が苦手だから必ず「季の美」も苦手、とは判断できません。
  • 甘さや苦さが気になるなら。ジン&ソニックには、トニックの甘さ・ほろ苦さも入ります。まずトニックと無糖炭酸水の配分を見直しましょう。レモンピールを添えた香りが気になる場合は、それを減らすか省く方法もあります。
  • アルコールの刺激が苦手なら。「和のジン」だから穏やか、と決めつけず、ジンを注ぐ量を減らす方向で調整します。割り材を足すと濃度は下がりますが、入れたアルコールの総量そのものは減りません。

苦手を克服するために無理に飲む必要はありません。お店で相談する場合は、まず避けたい味や香りを伝え、そのうえで気になる香りを探してみてください。

お店での伝え方は最初の一杯を頼むガイドにもまとめています。

飲み方・料理の楽しみ方

まずは、レモンの皮を添えた一杯から

用意するものは、「季の美」、トニックウォーター、無糖の炭酸水、レモン。それにグラス、氷、mlを量れる道具、スプーンです。公式のジン&ソニック(トニックと炭酸水の両方で割る飲み方)は、「季の美」40ml、トニック80ml、炭酸水40ml、レモンピール(レモンの皮)という組み合わせ。タンブラー(背の高い、脚のないグラス)で軽く混ぜて作ります。[5]

家ではグラスに氷を入れ、材料を注いだら静かに混ぜると始めやすいでしょう。レモンは果汁をたくさん搾るより、まず薄く切った皮を少し。公式の材料・比率を起点にした家庭向けの作り方です。

この飲み方を入口に選ぶ理由は、トニックだけで割る場合より、甘さや苦さを調整しやすいこと。ジンの銘柄を替えなくても、トニックと炭酸水の配分で自分の好きな方向へ近づけられます。

甘さが気になったら、次に作るときはトニックの一部を同量の無糖炭酸水へ。レモンが目立ちすぎたら皮を減らす。アルコールの刺激が強ければ、ジンを少なくするか割り材を増やします。一度に全部変えず、一つずつ動かすのがおすすめです。

40mlは飲み切るべき量ではありません。小さく作るなら、すべて半量にして20ml・40ml・20mlでも同じ比率になります。炭酸水を足しても、入れたジンに含まれるアルコールの量そのものは減りません。

料理と楽しむなら、まずこの一皿から。

「和食なら何でも合う」と広げるより、料理とジンの間に共通する香りを一つ探してみる。夕食と食後、それぞれの楽しみ方を紹介します。

夕食に魚を用意した日:白身魚の蒸し料理と、小さめのジン&ソニック。

魚に木の芽や柚子の皮を少し添え、まずは濃いソースなしで。料理の薬味と、ジンの香りを比べるための家庭向けの提案です。一杯は、このページで紹介した半量のジン20ml・トニック40ml・炭酸水20mlからでも。

ヒントは、2022年のレストラン「ラルジャン」との公式企画。当時の発表では、甘鯛の蒸し料理に木の芽と浅利出汁のソースを添え、「季の美」を昆布出汁や果汁などと合わせたカクテルを組み合わせるメニューが紹介されています。家庭案は、そのコースやカクテルの再現ではありません。[F1]

食後を甘い一杯で締めたい日:「季のTEA」(きのティー)のデザートカクテル。

お茶のジンを、必ずすっきり飲む必要はありません。公式の「グリーンティー・アレキサンダー」は、「季のTEA」、ホワイトカカオリキュール(カカオ風味の甘いお酒)、生クリーム、抹茶を使う一杯。食後の楽しみとして、お茶と甘さを合わせる方向もあります。[F2]

こちらはシェイカーと追加の材料が必要です。最初から一式を買い揃えず、気になったら公式の材料と作り方を見てから。夕食の一杯に加えて飲む必要はなく、その日の楽しみを一つ選んでください。

近い予算・別の候補

同じ予算なら、「季の美」・「ROKU」・「No.TEN」のどれ?

商品価格が3,000円台後半でそろう3本。「季の美」と「ROKU」の差は69円、「No.TEN」との差も159円です。このくらい近ければ、気になる香りと飲み方から選んでみましょう。

1本あたりの税込価格と、選ぶ手がかり
一本の候補税込の商品価格容量・度数選ぶ手がかり
「季の美 京都ドライジン」3,798円700ml・45%・箱なし柚子、玉露、生姜や山椒。身近な和の素材と、六つに分ける香りづくりを知りたい。
「ROKU〈六〉」3,729円700ml・47%・通常品「季の美」より69円安い。桜の香りにも惹かれるなら、柚子やお茶を含む六つの和素材から。
「タンカレー No.TEN」(ナンバーテン)3,957円750ml・47.3%・正規品「季の美」より159円高い。グレープフルーツなどの柑橘とカモミールの香りを選びたい。

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2026年10月20日確認のFELICITY掲載価格。1本・税込・送料別。通常送料は1個口598〜1,352円(地域別)。ポイント・クーポンは含めていません。価格・在庫は変動します。

香味は各メーカーの説明を参照。表の度数は比較した販売商品の仕様で、「No.TEN」は他の2本より50ml多いボトルです。

同じ造り手なら、「季のTEA」(きのティー)と「季の美 勢」(きのび・せい)をどう選ぶ?

お茶を目当てに買うなら、「季のTEA」(きのティー)

「季の美」にも玉露は使われています。それでも「お茶を楽しみたい」が購入のいちばんの理由なら、まず比較したいのは「季のTEA」です。宇治の茶舗・堀井七茗園との共同開発で、玉露と碾茶(てんちゃ。抹茶にひく前の茶葉)を特別に組み合わせたジン。「季の美」を単にお茶で割ったものではありません。[3]

基本の「季の美」を選ぶ理由は、茶だけに狙いを絞らず全体の組み立てを知ること。「季のTEA」を選ぶ理由は、お茶を軸にした別の表現を探すことです。高いほうが上、素材が多いほうが上、という選び方はしなくて大丈夫です。

カクテルの中でも個性を出したいなら、「季の美 勢」(きのび・せい)

「季の美 勢」は、基本の「季の美 京都ドライジン」と同じ11種類・六つのグループを使いながら、ブレンド比率を調整した高い度数のタイプです。公式では、ジントニックやマティーニなどに使うときの存在感を特徴としています。[4]

家で気軽な炭酸割りから始めたいなら、最初から「季の美 勢」へ背伸びする必要はありません。一方、すでに基本の「季の美」を気に入っていて、ほかの材料と合わせるカクテルにも使いたいなら、次の一本として検討する理由があります。「同じものの水を減らしただけ」とは考えないほうが、違いを楽しめます。

国内販売元の2025年9月30日発表では、「季の美 京都ドライジン」と「季のTEA」は700ml・45度、「季の美 勢」は700ml・54度。一方、2026年10月20日に確認した日本語のブランドサイトでは、順に45.7%、45.1%、54.5%と表示されています。資料だけでは違いの理由を確定できないため、購入するボトルのラベルと販売仕様を優先してください。[1,3,4,7]

背景・詳しい情報

おもしろいのは、11種類を六つに分けて、香りを取り出すこと

「季の美」には11種類のボタニカル、つまり香りづけに使う植物素材が登場します。それを六つのグループに分け、別々に蒸溜してから組み合わせるのが、このジンを知るうえで大事なところです。[2]

礎(ベース)はジュニパー、オリス、赤松。柑(シトラス)は柚子、レモン。凛(ハーバル)は山椒、木の芽。辛(スパイス)は生姜。茶(ティー)は玉露。芳(フルーティ&フローラル)は笹、赤紫蘇。六つのグループを個別に蒸溜してブレンドする。
京都蒸溜所が公表する六つの分類。個別に蒸溜した香りを、後で組み合わせます。
図の内容を文章で読む

礎(ベース)はジュニパー、オリス、赤松。柑(シトラス)は柚子、レモン。凛(ハーバル)は山椒、木の芽。辛(スパイス)は生姜。茶(ティー)は玉露。芳(フルーティ&フローラル)は笹、赤紫蘇。六つのグループを個別に蒸溜してブレンドする。

柑橘には柚子とレモン、お茶には玉露、スパイスには生姜。山椒の実と木の芽も別の役割を持ちます。原料名の数を競うより、「どの香りを取り出し、どの割合で合わせるか」に目を向けると、製法の話がぐっと身近になります。[6]

料理で、具材を全部一度に鍋へ入れる方法もあれば、別々に火を通して最後に合わせる方法もある。「季の美」の六つのグループは、後者を想像すると理解しやすいでしょう。もちろん料理と蒸溜は同じ工程ではありませんが、素材ごとに扱いを変える、という発想は似ています。

ベースには米から造ったスピリッツ、加水には伏見の伏流水を使います。「京都らしい素材を入れた」という説明から一歩進んで、香りを組み立てる仕事まで見えることが、この一本の楽しさです。[2]

和紙の上に並ぶガラス器と柑橘の皮、茶葉のイメージ
お茶を手がかりに、次の一本を考える。

「季の美」(きのび)という名前のヒントは、瓶の模様に。

ボトルを手に取ったら、まずは模様を眺めてみる。唐長の千田長右衛門氏の回想には、名前が生まれるきっかけになった、創業者たちとのやり取りが残されています。

松竹梅唐草(松・竹・梅と、つる草を組み合わせた模様)の文様を選ぶなかで、デービッド・クロール氏が、名のない六弁のモチーフをジュニパーベリーに見立てた。その対話から「木の実」「季節の実」へと発想がつながり、「季の美」という名を思いついたといいます。これは当事者による回想です。[S1]

原料だけでなく、名前や紙の文様にも、その土地の仕事との接点がある。知ってから瓶を見ると、飲む前の時間にも楽しみが増えます。造り手と京都のつながりも続けて読めます。

ボトルの向こうにある京都へ

「季の美」が発売されたのは2016年10月。長い歴史を持つ京都の中では新しい造り手ですが、茶舗や唐紙の職人など、地域の仕事と結びついて育ってきました。2025年10月には、亀岡市に新しい生産施設ができています。[10,11]

「京都」と名前に入る理由を、素材の産地だけで終わらせない。どこで造り、誰と組み、規模が大きくなっても何を残すのか。その話は、京都蒸溜所のページで続けます。

お酒は20歳になってから。飲酒運転はしないでください。

出典・参考資料

出典と参考資料

資料確認:2026年10月20日。香味はメーカーの説明を参照しています。

[1] 基本商品の香味・位置付け ↗[2] 製法と文様 ↗[3] 季のTEA ↗[4] 季の美 勢 ↗[5] 公式ソニック ↗[6] 素材のグループ ↗[7] 国内販売元の2025年仕様 ↗[8] ROKU通常品 ↗[9] 国内小売の商品照合 ↗[10] 会社・創業・商品発売の年月 ↗[11] 新施設・国内販売・グループ ↗
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